馬渡松子『さよならbyebye』

ニチイという名の日用品と洋服が売っている複合設施設があったが、その頃にはだいぶボロくなって色あせて、数年前ほどの人の入りはなく、うちのばあちゃんのような世代の人たちが洋服を買いに行くくらいになっていた。上の階にはゲーム機が置いてあって、『バブルボブル』なんかのゲームが置いてあったが、パズルボブルはその頃すでにけっこう古いゲームで、ずっと同じ型のゲーム機が取り替えられないまま置かれていたんだと思う。そんなニチイの二階へあがる階段の前のベンチで友人と漫画を読んでいたら、ワルの上級生だちが大声でいいカモがおるわと笑いながら階段を上ってきた。このワルとはいろいろ思い出がある……。あつカネサキ!!!!!しまった!と二人とも硬直…。「お前ら何読んでんねん?コラァ」と、殴られるだけでなくカツアゲされ漫画まで取られるのかとおびえていると、「なんや、ダイの大冒険読んでんのか………。お前らええ奴やなぁ」と笑ってくれて、じゃあなとそいつらは古びたゲーム機で遊ぶためにフロアへ消えていった。ダイの大冒険を読んでいたのでカツアゲから逃れられたのだった………!!!
ということで新しくなった『ダイの大冒険』観てます。最初の方は改変部分におこでしたが、とりあえず前回放送が終わってしまったとこらへんまで進んだので、今回はラストまで制作してほしい。改変でまさかポップがメガンテしないストーリーなのかと思ったけどちゃんとメガンテしてよかった……メガンテしてよかったって何だ。泣きました不覚にも。メガンテして竜の血を飲みギラで一片の花びらを燃やしてしまうことなく、指先の一点に魔法力を集中し、花びらの中心に小さな穴をあけるほどの魔法使いになるのでメガンテしないわけにはいかないのです…が…
子供の頃はお小遣いが少なかったので毎週ジャンプを買うことができずコロコロコミックで育ち、もちろん漫画全巻買うことも諦めていたので、友達がくれた図書券でダイの13巻だけ買って、それを何回も読みました。(その後その友人からはやっぱり図書券かえせと何度も…)
13巻のアニメ化が楽しみ。しかしOPとEDはいかがなものかと…まず「生きるをする」っていうタイトルが~…(その後慣れ・OPはこれなんだとフォーマット完了…)
アニメの中身は戦って強くなってまた更に強力な敵が現れて強くなるという単純なものだったとしても、幽遊白書のOP・EDなんかは、アホな男子児童だちになんとも言えない気分を味合わせていたと思う(味合わせることに成功させていたと思う)。特にED曲の『さよならbyebye』なんて。大人の別れの曲を聴いて、まだそれを体験したことがない子供たちがその体験を想像して感じる気持ち。なぜかそれがわかるような気がする、そんな経験をいつか自分が体験するのかな、するのだろう、その時どんなことを感じるんだろう………と。そんなふうに考えて聴いていた自分は感じやすい子供だったのか?
いま子供たちがTVでアニメを観るというのが当たり前でない時代にあって、90年代と同じではないにしても、子供の感性をえぐるような、ちょっと残酷かもしれない大人の気持ちを感じさせるようなOP・EDが使われているアニメがあるなら知りたい。
いま聞き返してみると歌い方や声質はやはり違うのだけれど、パイナップルの『Diamond Crack』を最初に聴いたときは、幽遊白書の歌の人の声でこんな世界あるの?!って驚いた。ちょっと例えが違うが灰野敬二がカヴァーしている堀内孝雄『君の瞳は10000ボルト』を聴いたときのような……この声質でこのうたの世界があるのかと驚いたのでした。ほかにあれば聴きたいな。この時の馬渡松子の声に近い曲。ここのところの気分としては『ホームワークが終わらない』だけど……。

コメントを残す